時は誰も待ってくれない 下
あとは席を立って…自然に…自然に…
と扉に手をかけたとき。
「真由」
「は、はいっ!」
まさか、挙動不審だった?
でも恋人にプレゼント忘れてくるとかダサすぎるから!
バレたくないバレたくないんです!!!
恐る恐る振り返ると手招きをしている隼人。
「な、なに?」
「手だせ」
「…手?」
完全に間抜けヅラになる私。
予想してた展開と違うから拍子抜けしてしまった。
「いいから。目も閉じろ」
えっ、え?訳が分らない。
言われるがまま私は手を差し出して強く目をつむった。
紙袋の音…?
…ひゃっ
何か手首に冷たい感覚を感じた。
な、何だろう!?まだ開けちゃダメかな…
「いいぞ」
< 68 / 143 >

この作品をシェア

pagetop