時は誰も待ってくれない 下
「ごめんなさ…」
私は勢いよく病室を飛び出した。
涙で視界は滲んでいるけど、それでも走る。
中谷の体はたくさんのチューブで繋がれていて見ていて痛々しかった。
前見たときはあんなに酷くなかったのに…。
全部私のせいだ。
「高橋さん!?」
少し先に病院に行く途中なのか、山下くんがいる。
さっきのこともありこんな結果で顔を合わせにくい私は俯いたまま通り過ぎようとした。
「ちょ、なんで泣いてるの」
「今更だよね」
咄嗟に私の腕を掴んで引き止めた山下くんの顔が曇る。
「なんか…言われた?」
「私には優だっているし。昔の事を今更なんだって思うよね。全部私のせいなのに…矛盾してるよ私」
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