時は誰も待ってくれない 下
私だけ貰って隼人には何も無しじゃ申し訳ないな…。
やっぱり家に取りに帰ろう。
「隼人、家に忘れ物取りに帰るから待ってて」
「…」
私の手を握ったまま俯いて黙る隼人。
まるで拗ねちゃった子供だよ…。
そんな隼人さえ可愛くて頭を撫でると顔をあげた。
「大丈夫、すぐ帰ってくるからね」
「わかった、気をつけろよ?」
「はーい」
心配そうな隼人の声に振り返り、笑ってみせた。
病室の扉を閉める瞬間、一瞬だけ見えた隼人の悲しそうな顔。
すごく、すごく悲しそうな顔。
それに私は気づかなかった。
やっぱり家に取りに帰ろう。
「隼人、家に忘れ物取りに帰るから待ってて」
「…」
私の手を握ったまま俯いて黙る隼人。
まるで拗ねちゃった子供だよ…。
そんな隼人さえ可愛くて頭を撫でると顔をあげた。
「大丈夫、すぐ帰ってくるからね」
「わかった、気をつけろよ?」
「はーい」
心配そうな隼人の声に振り返り、笑ってみせた。
病室の扉を閉める瞬間、一瞬だけ見えた隼人の悲しそうな顔。
すごく、すごく悲しそうな顔。
それに私は気づかなかった。