時は誰も待ってくれない 下
「優…」
名前を呼んだのも腕を引っ張ったのも優だった。
「もう少しで轢かれてたぞ!?」
「え…」
どうやら私は信号すら見えてなくて赤のまま横断歩道を通ろうとして、ちょうど車がきて危なかった私を助けてくれたらしい。
「死ぬかもしれないだろ…」
「あ…ごめん…」
私のブレスレットを見た優はそっと腕を離す。
「気をつけろよ?」
「…うん」
行かなきゃ…。隼人が待ってる…。
「…真由?」
「行かなきゃ…」
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