時は誰も待ってくれない 下
道路脇に雑に駐車されている優の車。
わざわざ車を降りて私を助けてくれたんだなんて思う余裕もない。
車内は静かで緊迫した空気が広がる。
「何があった…?」
「隼人が…死んじゃう…」
「…ッ」
「隼人が…私を呼んでるの」

それから優は何も言わなかった。
その代わり車の速度が少しだけ速くなって
あっという間に病院に着いた。

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