時は誰も待ってくれない 下
あぁ、私生きてる。
隼人のところへ行けると思ったのにまた目を覚ましてしまった…。
「あなた妊娠してたの…?」
「ごめんね…なかなか言い出せなくて…」
「…誰の子なの?」
「それは…」
隼人じゃなくて-…
「俺です」
え?
ゆっくり扉の方を見るとそこには優が立っていた。
「初めまして。挨拶が遅れてしまってすいません。俺、柴田優と申します。真由さんとは以前、お付き合いさせていただいてました」
「以前…?」
「無責任だと思ってます。申し訳ありません」
優は深く深く頭を下げた。
「優…」
「頭をあげて」
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