時は誰も待ってくれない 下
「ずっと、忘れられない人が居たの」
「…」
「高校の時からずっと好きで…やっと伝わって…」
「…その人はどこにいるの?」
「…わかんない…ッ」
ベットの横の椅子に座って眉を寄せるお母さんの顔がだんだん滲んで、あぁまた私泣いてるんだと思った。
「ほんとに、ほんとにさっきまで笑ってたの。ずっと体調だって良かったし…なんで…」
理解したのかお母さんの目にも涙が溜まっている。


「なんで…死んじゃったの-…?」



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