時は誰も待ってくれない 下
ごめんね…優。
感情はあるはずなのに表に出すのができない。
時々発作のような苦しさが襲ってきて、私このまま死ぬのかなって思うと楽になれた。
でも死にきれないのがまた悔しくて狂ったように泣き叫ぶ。
私はもう狂ってる。
ここが普通の病院じゃないってことも、とっくに気づいている。
「じゃあ、また明日来るから」
今日も優は優しく笑って頭を撫でると帰っていった。
隼人…私が私じゃないよ。
隼人の死がこんなにも影響するなんて。
どれほど私の中で大きな存在だったかを改めて知った。
どうすればいい?
聞いても答えが返ってくるわけ無い。
それでも聞かずにはいられなかった…。
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