半透明彼女
一人暮らし
「よし、これで片付いたかな…?」
大学受験も乗り越え、志望校に受かり、田舎から大学に通うために一人暮らしをする事になった6畳のワンルーム。
ロフトになっていて、意外と住みやすい。
荷物といっても、服とパソコンと机と、鍋やら食器やら。
一通り、最低限の物しか無いんだけど。
僕は、大学生活に少しも期待していなかった。
それと言うのも、中学、高校とも、いわゆるイジメにあっていたし、大学でも変わらないんじゃないかと思っている。
いや、変わるかも?
躰はヒョロヒョロだし、メガネかけて、
いかにも真面目君といった感じらしい。
イジメられても勉強しかない僕は、学校は頑張って通った。
いい大学に受かり、いい会社に入り…と、密かに奴等を見返してやるんだ!
と、頑張った。
そのかいあってか、念願のT大に受かり、ここに住むことになった。
荷物は少ないといっても
慣れない環境に疲れを感じ、その日は、まだ20時すぎにもかかわらず、眠気が襲ってきた。
食事を、と言ってもカップ麺だけど。
早々に食べるとシャワーも浴びずに、その場で寝てしまった。
…カタ…カタ、カタカタ……
と言う音で
目を開けようとしたけど、暗闇の中で
パソコンのモニターがぼんやりと明るい。
あれ…?
付けっぱなしだったっけ?
と、思った瞬間、誰も居ないのに
キーボードが打たれ、カタカタ…と
音を立てていた…。
ま…ま……マジッスか?
早速ですか?
…!!
金縛りに会いながら
前途多難な一人暮らしの部屋を逆に呪った。
どうなるんだ?
僕は…