半透明彼女


「ヤだよ。こんな店、僕には…」


クルリと店に背を向け、歩いて来た道を戻ろうとした時


「呪っちゃうから」


ゲッ
綾ちゃんの方をすかさず見ると、頷いて

ただならぬ、どんよりとした雰囲気を発していた…


呪われるなんて嫌だ!!ってか、怖いし!!

しかも、こんな事で?呪われるのか?


「わっ、分かったから。」


綾ちゃんは、顔を上げると、悪戯っ子の様に、舌をペロッと出して笑った。


ハメられた!


苦笑いしながら横目で睨みながら、店内に足を運んだ。


「いらっしゃいませ。」


「お客様、ご予約のお名前は?」


「あ、えっと、予約は…」


予約なんてしてないし。困ってゴモゴモしてると、綾ちゃんが、僕にそっくりな声色で


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