半透明彼女
「わかんないの。」
か細いけど、はっきりした声
と、いうより、テレパシーって、こんな感じかな?
頭の中から聴こえる様な…
「わかんないって何が?」
恐る恐る聞くと、ますます困惑した顔を浮かべながら
「どうして、ここにいるのかも。わかんない。」
そうなんだ。
わかんないんですか。
「ここに居てもいい?」
「えっ、えっ、えぇ~っっと…」
なんて答えたらいいんだろ?
幽霊からの同棲申し込みってことっスカ?
だけど…果たして拒否権は僕にあるんですか?
この場合。
先住民は、可愛い幽霊さんなんじゃないんでしょうか?
「やっぱり、お祓いとかしちゃうの?」
潤んでいた瞳から、ぽろぽろ涙を流しながら聞いてきた。
「そんな!大丈夫だよっ!」
涙を流す彼女を見て、つい、言ってしまったが、すぐに後悔した。
「ホントに?!ありがとぉっ」
と言われたかと思うと、いつの間にか(瞬間移動か?)
ヒンヤリとした空気に包まれた途端、僕は意識を失った。