半透明彼女
「君の名前は?」
「…たぶん、綾。」
「たぶん?」
困った様な…哀しい顔で彼女は、つぶやく様に答えた。
「…記憶が…曖昧で、自分でもわかんない事ばっかなの。」
「幽霊になった理由も。どうして、ここに居るのかも。」
「…あ…あの…さ、ここで死んだの?」
綾と名乗る半透明な彼女は、ブンブンと頭を左右に振りながら
「わかんないの…」
と、哀しい顔をした。
「そっか。僕も協力するよ!」
「何を?」
「綾ちゃんが成仏…、綾ちゃんのお願いが叶う協力!」