半透明彼女


「ホントに?」


「嬉しい」

と、言う言葉と共に、昨晩感じた、ヒンヤリとした空気に包まれた。

それは、半透明な彼女、綾ちゃんが僕に抱きついたからだった様だ。


不覚にも、また意識が遠くなっていくのを感じた。

と、思ったら、ゴツンと床に後頭部をぶつけ、星が僕の周りを回った。


「ゴメンなさい!!…つい、嬉しくって」


「いや、大丈夫だよ(>д<)」


実際、綾ちゃんが生身の人間だったら

どんなに嬉しい事か!


イジメられっ子で、真面目にするしかなかったんだけど…

彼女がいなかったわけでも無いけれど、やっぱ、女の子の免疫が少ない。


せっかく、こんな可愛い子に抱きつかれても、相手が幽霊じゃあ…

神様って

残酷。


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