彼女の恋~小指の赤い糸~


《これから中島さんの部屋まで行くから俺も中に入れてくれない?》



何言ってるの……。


《変な事言ってないで早く帰って下さい》


《クスッ、いいんだ?
中島さんが俺のモノになったって課長にバラしても?
これから課長の携帯にかけようか》


《ちょっと待って下さいっ。
私がいつ主任のモノになったって言うんですか?》


《確かにキスだけで君が手に入ったわけじゃないけど……。

今すぐに課長を帰したら俺も帰るよ。

ちょっと待っても課長が出て来なかったら部屋の前まで行く》


どうしよう。


どうしたらいい?


バスルームから出て課長の所に戻った。


「電話は終わった?どうした?
顔色が悪いぞ」


「課長ごめんなさい。
私、やっぱり無理……」


また携帯が鳴った。

主任だ。



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