彼女の恋~小指の赤い糸~
「……あの紗季さん……これっ、お願いします!!」
「……あの千夏?
私はやっぱり」
「必ず来て下さいね!!」
千夏は私の手に招待状を握らせると直ぐに戻って仕事を始めてしまった。
渡されたって困るよ……。
「気持ちの整理をする良い機会じゃん。良かったな、中島さん」
何が良かったな、よ。
もうっ、何なの、この人は。
最近絡んで来なくてほっとしていたのに。
「私は行くつもりなんかなかったのに、何なんですか?
余計な事は止めて下さい」
「中島さんは本当によく突っかかって来るよな。
そういうとこ気をつけないと、いつまでも彼氏なんて出来ないんじゃないか」
余計なお世話だ!!
主任になんて心配されたくない。