彼女の恋~小指の赤い糸~
課長は私の気持ち知っているなんて事……ないよね。
「どうした?
浮気なんかしてないだろう?」
苛立ちの混じった声。
課長は私をじっと見ながら頬をそっと撫でた。
「最近、諸田主任とはあまり話さないんだな?」
「主任とは別に……いたっ……」
吸われて咬まれた首筋がジンジンとする。
この前と違う。
咬まれた痕が痛い。
怒りをぶつけてくるように唇にも荒々しくキスしてきた。
課長は怒ってる。
怖くなって一瞬唇が離れた隙に顔を背けた。