彼女の恋~小指の赤い糸~
「避けるなっ」
背けた顔は課長の手で正面を向かされてまた唇を覆われた。
「やぁっ……んん……んはぁ……」
「前に言った筈だよなぁ?
俺だけを見てろって。
中島はさ、俺を見てない。
そうだろう?」
課長は私の気持ちが主任にある事を知っているんだ。
「課長……ごめんなさい」
「なんで謝る?
後ろめたい事でもしてるのか?」
上から見下ろす課長の目は鋭く声は恐ろしく低い。
もうこれ以上やり過ごすなんて無理。
「かちょ……、ごめんなさい。
私と別れてく」
「認めない!!」