彼女の恋~小指の赤い糸~
「中島さん今度さ、一緒に映画見に行かないか?」
断られるのを承知で声を掛けた。
でも直ぐに断っては来なくて困っているような迷っているような何ともいえない顔をした。
「どうしたの熱でもあるの?
てっきり『主任と映画なんて行くわけないじゃない!』って言うかと思ったのに」
「……からかってるんですか?」
「映画の話しは本当だよ。
鬼のいぬまになんとかってやつかな」
「あの私は……」
やっぱり行くとは言ってくれないか。
「ごめん。
俺とは行く気はしないよな。
やっぱり無し今の話しは無しで」
話しを取り消そうとしたら。
「行きます!!」
「へっ?」
今、行くっていったよなぁ……。
まさかの行きます発言に正直驚いた。