彼女の恋~小指の赤い糸~
「入ろうか」
車から降りて中に入った。
店内にお客は疎らに居るだけだった。
主任が座ったテーブルの向かい側に腰を降ろした。
「俺はコーヒーにするけど、どうする?」
「私もコーヒーにします」
店員が水を持って来てコーヒーを二つ注文した。
「中島さん、教えてくれないか?」
「何をですか?」
「どうして今日付き合ってくれたのか?どうしても気になって仕方ないんだ。
中島さん何でなんだ?
やっぱり課長とケンカして自棄になってるとか?」
「主任酷くないですか……。
自棄になってって何ですかっ?
私がそんな理由でくると思ったんですか?」
今まで楽しい気分でいたのに主任の言葉で一転した。
主任の目には自棄になっている浮気女としてうつっていたの?
私はただ一緒に過ごす時間が欲しかった。