彼女の恋~小指の赤い糸~
「とにかく、迎えに行く」
絶対に嫌だ!!
主任となんか行くもんか。
「もし、結婚式に行くとしても私、一人で行きます」
今度こそ主任の横をすり抜けて、その場から逃げた。
ちょうど来たエレベーターに乗って追われるように会社を出て。
住んでいるアパートの近くまで来てから、やっと足を止めた。
主任が、付いてきてないか辺りを見回して誰も居ないことを確認してほっとした。
はぁ……。
なんだかなぁ、もう。
急に一緒に行くとか言って来るんだから。
主任と一緒に行くなんてありえないから。