彼女の恋~小指の赤い糸~


「それが……紗季さんごめんなさい!!」


「言っちゃったの?
嘘でしょ……」


「本当に本当にごめんなさい。
主任が嘘を吐いているって思わなくて―――」


「紗季さん……」


あー、またそんな顔で……。


千夏は酷く叱られてシュンとなった子犬のような顔で私を見ている。


何故かその顔に弱いんだよね。



「もう、いいよ」


千夏には、いいよって言ったけど主任と行くつもりはない。どうしよう……。



お昼休みになり主任に文句の一つも言おうとしたけど忙しそうにしていて、話すタイミングが合わず言えなかった。



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