彼女の恋~小指の赤い糸~
「分かりませんか?
もう紗季が課長に戻る事は無い。
いいかげんに諦めて下さい」
「どけっ、お前と話してるんじゃないっ。
俺は中島と話してるんだ。
中島っ!
中島ぁ……もう一度だけ――――――――」
悲痛な声で何度も私の名前を呼ぶ課長に
自分の口からちゃんと謝り課長の元には戻れないと言わなければと主任の隣に移動した。
「課長、本当にごめんなさい!!
やり直す事はできないんです」
頭を下げて課長の言葉を待った。