彼女の恋~小指の赤い糸~
マンションを出て車に乗りこんだ。
手を伸ばしても中島には届かず拒否された。
どうやっても中島を取り戻す事は出来ないんだと思い知らされた。
今までこんなに一人の女に執着した事はなかった。
痛みを伴う恋愛をしたのも初めてかもしれない。
今まで寄って来る女は、いくらでもいた。
だから自分から求めた女は中島が初めてだったんだ。
好きだと告白して付き合い始めてからは日に日に中島への愛しさが募っていって大事にしたいと、いつも思っていた。
中島の諸田への想いを聞かされた時に嫉妬心から何度も強引に抱いて結局は怯えさせてしまった。
後悔、諦め、喪失、悔しいという想いがいつまでも胸の中に渦巻き
苦しかった。