彼女の恋~小指の赤い糸~




「分かりませんか?
もう紗季が課長に戻る事は無い。
いいかげんに諦めて下さい」



「どけっ、お前と話してるんじゃないっ。
俺は中島と話してるんだ。
中島っ
中島ぁ……もう一度だけ――――――――」



必死に紗季を求める課長の姿が諦めようとしていた時の俺自身と重なる。


どんなに課長が求めても俺が紗季から離れる事はない。
これからは、ずっと彼女の傍にいる。



「………何を言ってもムダって事か……。
もう、いい……勝手にすればいいさ」


課長は、諦めたのか出ていった。



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