彼女の恋~小指の赤い糸~
机の上に広げて置かれている雑誌に載っている簡単なイエス、ノー方式の心理テスト。
「ねぇ、紗季は?」
「私は……やってないから」
「私はこのタイプだった」
「私はこっち」
周りにいた他の子達は自分のタイプを指さして笑い合っている。
急に場面が教室から別の場所に変わった。
玲奈の部屋?
「ねぇ、本当は心理テストしたんでしょ?
どのタイプだったの?」
私が出逢うかもしれない運命の相手……。
「紗季」
振り向けば良く知った人がいた。
あれっ?何で主任がここに?
私は高校生で玲奈と二人でいた筈……。
玲奈は、いなくなっていた。
「紗季の運命の相手は俺だろ?」
そう言って私の目の前に出された左手の薬指には赤い糸が巻き付いていた。
「赤い糸!?」
驚いた私の左手を指さした主任。
なんだろうと見れば私の左手の小指にも巻き付いている赤い糸は主任の小指と繋がっていた。