彼女の恋~小指の赤い糸~
課長には当然の権利だ。
俺は課長のいない間に紗季を奪って行ったんだから。
紗季と気持ちが繋がった、あの時から覚悟はしていた。
「分かりました。
紗季を奪った責任は取ります」
課長の堅い拳がアゴに炸裂した。
強烈な一発をもろに喰い俺は見事に後ろに倒れた。
「っ……、ってぇ……」
「これで全て無しにしてやる。
お前や中島を恨んだりしないから安心しろ。
これからは、お前の言う通りに中島とはただの上司と部下だ」
課長は屋上から出て行った。
くそっ、いてぇ……。
課長の一発はかなり効いた。