彼女の恋~小指の赤い糸~
とりあえずアパートの前に立って待っていようと思い外に出た。
時間通りに主任はやって来た。
ブラックスーツに薄い青色のカラーシャツとストライプのシルバーグレーのネクタイ。
襟元にはラペルピンが付いた。
いつもは濃紺のスーツを良く着ているから雰囲気が違って見える。
「何?」
「何でもないです」
凝視していた事に気付き慌てて主任から視線を外した。
「その先でタクシーを待たせてる」
「じゃあ、急いで行った方が良いですね」
主任とタクシーが止まっている場所に急いだ。