彼女の恋~小指の赤い糸~
「中島!ちょっと待て」
帰ろうと後輩達と別れて会場から出た時、後ろから肩を掴まれた。
主任!?
私は今日、ここに来たし千夏達を誤解してた事も分かった。
主任もこの事で私に来てほしかったんだって何となく分かった。
それで私なりに結論を出して先に進もうって思った。
これで充分じゃないの?
まだ何かあるの?
「主任、まだ何かあるんですか?
千夏達の事ならもう大丈夫です。
前に進もうって決めたから」
「あぁ……そうか。
そう決めたなら、もう大丈夫だな」
「私、もう行きますね」
「待った」
「話があるなら早く言って下さい」
「いや……一緒に帰ろうと思って」
帰りまで一緒だと完全に誤解されるじゃない。
まだ、会社の人達が何人か残っているんだから。