彼女の恋~小指の赤い糸~



「あっ……主任」


「安西さん、これ頼むね」


「あっ、はい……」


千夏は主任から押し付けられた書類を手に困惑したものの席に座り仕事を始めた。


私達の話しを何処から聞いていたか知らないけど、私と千夏の間に割って入って来るのは、いつもの事。


私への嫌がらせ?
いや監視なのだろう。
未だに私が千夏に何かすると思っている。
本当に主任はいつも私をイライラさせる。


はっきりと振られているし、あんな事をしてしまって、これ以上何かする気なんてないのに……。


あの時の私はどうかしていた。
最低だったと思う。私が間に割り込める隙なんてなかったんだから。


だから、後悔しているのに……。



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