彼女の恋~小指の赤い糸~
「主任は適当に座っていて下さいね」
何を勝手に主任を座らせてるのよ。
ここは私の部屋でしょうが……。
「氷枕とけてますよ。
冷えピタも買って来たんで貼って下さいね」
「ちょっと千夏……」
「何で主任を連れて来たのよ」
「え~と、主任はずっと心配してたんですよ。
それで、私が紗季さんの所に行くって言ったんです。
そしたら主任も行きたいって言ったから連れて来ました」
明日は、出て来れるか様子を見に来たって事ね。
「食欲はありますか?
軽く片付けてお粥を作りますね。
紗季さんは気にしないで寝てて下さい」
千夏はお鍋が何処にあるかだけ聞いてから行ってしまった。
「おでこに貼ったやつに前髪が挟まってる。
付け直すぞ」
とりあえず、布団の中で静かにしていると、いつの間に来たのか主任はベッドの脇にいた。