彼女の恋~小指の赤い糸~
「中島さんちょっと……」
課長!
課長に呼ばれて行ったものの、電話の事を意識して顔をまともに見られなかった。
「いつもと違う気がする。
まだ具合は、良くなってないのか?」
「いいえ、もう大丈夫ですから」
「なら、いいんだ。
これを優先してほしい。
東條さんと手分けして今日中に頼む」
「分かりました」
「それと、これ検討してほしい」
課長から手渡されたメモには食事に誘う言葉が書いてあった。
「あの、課長?」
「一緒に食事をして楽しく話しが出来ればいいんだ。
他意はないよ。
どうかな?」
「……分かりました」
行くと返事をした。付き合うとか、そういう事じゃなくただ話しをするだけなら……。