彼女の恋~小指の赤い糸~
それでも千夏には何となく言いずらくて話せないでいた。
「紗季さん葛城課長と何かあったんですか?」
あぁ、どうしよう……。
言うしかないかな。
時々、会社帰りに一緒に食事に行っていると言うと何故か、ため息をついている。
何でがっかりしたような顔をするのか分からない。
まさか、東條君と結婚までしたのに葛城課長を好きになってしまったとか……?
「何でがっかりしているの?
課長が好きなんじゃないでしょうね?」
「そうなの?」
「やだ、二人とも!!
変な事を言わないでくださいよっ。
私は雅人さんだけです。
他の人を好きなんてありえませんから!」
はいはい、ありえないよね。
ラブラブな新婚さんだもんね。