彼女の恋~小指の赤い糸~
それぞれの想い
「中島と諸田って仲が良いよなぁ」
課長は経理課に来た最初の頃は名前をさん、君付けで呼んでいた。
でも皆と打ち解けた今は違う。
課長と食事をしていて主任の話しが出たのは初めてだった。
「主任とは何かあるの?」
何か?
どう言う意味……?
課長は、ため息をついて小さく首を振った。
「やっぱり駄目だ。待つつもりだったんだけどな。
でも、無理だっ」
「課長?」
「中島は諸田が好きなのか?」
えっ?
主任が……好き?
そんな事ありえないよ。