彼女の恋~小指の赤い糸~
本当にバカな事をした。
二人が揺らぐ事なんて無くて……。
完全に私の完敗だった。
更に主任は私を裏切る形で私達の事をバラした。
千夏が飛び出していった後に主任からの電話があった。
《言われた通りに腕時計は置いてきた》
《そうですか。
こっちも、千夏が飛び出していきました。
これで二人が別れれば私達の思い通りですね》
《いやっ……それはない》
《はっ?
どういう事ですか?》
《中島さんが今凄く苦しいんじゃないか?
慕ってくれた大切な後輩を傷つけて本当は後悔してるよな?》
《何、言ってるんですか?
後悔なんて……するわけない》
《嘘だ。
中島さん、もう止めよう。
これから東條に全て話す》
《ちょっとっ待ってよっ。
裏切るつもりなの!!》
《悪い……。
ここで止めないと、もっと苦しくなるのは中島さんの方だ。
だからバラすよ》
《待ってっ》
電話は切られてしまった。