彼女の恋~小指の赤い糸~


アパートの階段に座らせてバッグから携帯電話を出そうとした。


でも――――今、私は両手を掴まれ主任によって拘束されていた。


「ちょっ……何、ふざけてるんですか!!
放して下さい」


「…………」


「んんっ……」


一瞬の出来事だった。
強引な口づけ。



「……ん、はぁ……」



息苦しくなってきた所に唇が離れて息を吸えたと思ったら、直ぐに舌が入ってきた。



やだ、やだ、何で主任とキスなんか……。


主任の手が後頭部に回り締め付けのなくなった手で胸を押した。


ビクともしない胸を今度は強く叩いた。やっと伝わったのか拘束を解かれて解放された。



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