彼女の恋~小指の赤い糸~
月曜日。
会社に出勤して直ぐに主任と目があってしまい反らした。
仕事以外では二度と関わりたくない。
「紗季さん、おはようございます」
千夏が出勤してきた。
私の事を心配しての事だとは分かってはいる。
でも……あの時、千夏が主任と話さなければ……。
「なんか、怒ってますか?
目が怖いです」
何をやっているんだろう。
千夏のせいじゃない。
私が主任なんかに騙されたから。
千夏が悪いんじゃないのに……。
「ごめん、何でもないんだ。
気にしないで」