彼女の恋~小指の赤い糸~
会社に行くともう課長は来ていた。
「課長おはようございます」
「中島、おはよう。
今日はいつも通りで大丈夫だよな?」
課長が言っているのは食事の都合の事で。
「大丈夫です」
私ちゃんと普通に振る舞えてたよね。
昨日と同じように主任はなるべく視界に入れないようにした。
仕事が終わり課長の車に乗って直ぐに携帯がなった。
《はい》
《紗季さん、話したい事があるんです。時間を作って貰えませんか?》
《今、まだアパートに帰ってなくて後で連絡するね》
《もしかして、課長と一緒ですか?》
《うん、そうなの》
《実は今、紗季さんのアパートにいるんです》
《え!?
アパートまで来たの。
東條君と何かあったの?》
《そうじゃないんです……》