彼女の恋~小指の赤い糸~
電話を切って振り向いた彼女は一瞬驚いた顔をしたものの無表情に変わり横を通り過ぎた。
「中島さん待って」
何とか止まってほしくて声をかけた。
「話しを聞いてほしい」
中島さんのアパートから近い喫茶店に入り向かいあって座った。
「この間はごめん。
やり過ぎた」
「いきなり、あんな事されて簡単に許すと思わないで下さい」
「本当にごめん。
……中島さんが好きなんだ!」
頑なな彼女にどうしても分かってほしくて好きだと告白してしまった。
「謝りに来たんじゃないんですか?
なんで、そんな事を……また私の事をからかってるんですか?」
「違うっ。
本当に中島さんが好きなんだ」