彼女の恋~小指の赤い糸~
花火祭り
花火祭りの日、課長はアパートまで迎えに来てくれる事になっていたから。
早目に外に出てアパートの入り口で待っていると課長が来た。
「行こうか」
課長に言われて並んで歩き始めた。
課長は履きなれないゲタのせいでペースの遅い私に合わせて歩いてくれている。
「中島」
「はい?」
名前を呼ばれて私よりも背の高い課長を見上げた。
「可愛いよ。
凄く似合ってる」
わぁ……そんな事言われたら嬉しいけど……。
でも、やっぱり恥ずかしい。
ちょっとドキドキしたし可愛いなんて言って貰えて照れくさくなってしまった。。
「課長……早く行かないと良い場所無くなっちゃいますよ」
頬が火照るように熱くなってきた。
きっと今、私の顔は赤くなっていると思う。
見られたくなくて先に歩き出した。