彼女の恋~小指の赤い糸~
課長の様子が変。
きっと嫌な思いさせたよね。
課長と見るのを楽しみにしていた花火。
夜空に大きく上がって大輪の花のように美しいのに。
それを心から楽しむ事が出来ない。
こんな筈じゃなかったのに。
それでも課長との間に出来てしまった二人のズレを何とかしたくて。
「わぁ、さっきよりも色が綺麗ですよ」
「今度のは長くなかったですか?」
「課長ちゃんと見てました?絶対、長く上がってましたよ」
いつもよりお喋りになった。
花火を見終わった帰り道。
喋り疲れて会話も途切れがちな私達は、ぎこちない。