どうしたらいいですか?
ピクリ。
ルゥの頬が強張ったのがわかった。



「・・・・・・・・・失礼、しますっ・・・」


彼女はそれ以上何も言わずに、私の部屋から出て行く。

唇が、ぎゅっと噛み締められていた。



―――そうよねぇ、ルゥ。

あなたにあの言葉はイタイわよね。

だってあなた、つい先日『冴えない女』と嘲笑されて、愛人と別れたのだったものね?

その愛人は、とても綺麗な女と一緒だったのだものね?


本当、可哀想な子・・・・・・。




でも――


「可哀想なのは、私も・・・か。」



ルゥをそうやっていじめずにいられないなんて、大人気ないし、可哀想だ。






けど、だけど、離れない。


あの、黄金の瞳が。

私の頭を撫でた大きな温かい手が。





目を閉じ、頭に手を当てる。

思わず漏れたため息に、私らしくないと舌打ちをした。





―――おかしい。


何をどう解釈したって、おかしいのよ。



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