有界閉領域

気分転換

画家をしている祖父からの電話があったのが、一週間前。







『日曜日に、絵を納品しに行くから空けておいてくれ』という事だった。









車で1時間ぐらいの、緑豊かな海辺の町に祖父は1人で住んでいる。







洋画家としては結構有名らしく、有名な賞も何度も取り、全国で祖父の個展を開けるほどの実力者だ。








話によると、10歳前後の頃の真由と萌が描かれた絵を納品するらしく買い手側が、モデルとなった子供にも会いたいと言ってきたらしい。







祖父の絵をポンと買えるような人は、すごいお金持ちだろう。







その家に招かれるとなると、どの洋服がいいか今から悩んでしまう。





   日曜日。






結局、まだ何を着ていこうか迷っている感じで。






『清楚な感じの方がいいんじゃない?』と言う萌の言葉で、品の良いシンプルなワンピースに決めた。







萌は、カジュアルだけど可愛らしいワンピース。







小柄で可愛らしい萌にはよく似合っていた。







萌と真由は、身長も顔もタイプも全く違う。







真由の身長は171cm、整った美人顔。







近寄りがたくクールな雰囲気が真由にはある。








一方、萌は155cm、愛くるしいベビーフェイス。






ほんわかと親しみやすく、誰からも好かれる子。





   
   コウみたいに美人より可愛い子の方が、誰だってイイと思うよ。







萌の可愛い姿を見ながらそう思った。






「おじいちゃま、いらっしゃたわよ~」





母の呼ぶ声に、真由と萌は玄関に急いだ。

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