有界閉領域
まさかの出会い
ガチャ!
「あっ!!!!」
突然開いたドアに、驚いた声。
一気に現実に戻された。
のしかかってきているリョウの肩をグッと引き離し、声のした見た。
「コウ!?えっ何で???」
キスしていた所を見られた事より、ここにコウがいる事の方が驚いて。
「真由?!。えっ?? ゆうりんのお姉さん!?」
「おい!コウ、気をきかせよ。お前タイミング悪すぎ!!」
3人3様の驚き。
何が???どうなってるの???
「リョウ、お前・・・何してんだよ!!!俺は・・・手を出していい何て言っ
てねーぞ!!」
コウの怒った顔って初めて見た。
「手を出すとか大袈裟だな。ちょっとスキンシップとってただけじゃねーか。
それに真由と俺って同じクラスだし、今日初めて会った訳でもねーから、ごちゃごちゃ言ううな」
リョウは気にもせず、名残惜しそうに真由の肩に手を回している。
「もしかして・・・ヒロロンって、コウなの?」
嘘、嘘、嘘・・・
「ごめん。ギリギリになって用事が出来たから、リョウに頼んで俺が来るまで
場をつないで欲しいって頼んだ。で、さっきゆうりんからメールが来ていて
『私の代わりに姉が行ってます』って書いてあるだろう、びっくりして駆けつけたって訳で・・・まさか真由だと思わなくってさぁ・・・・」
「真由ってゆうりんじゃなかったの?まぁ~どうでもいいけどな。」
リョウは興味なさげに、真由の肩に回した手で、長い髪を指でいじっている
どうでもヨクナイ!!
この状況を嘘だって誰か言って・・・
ずっと片思いしてきたコウに、こんな形で再会するなんて・・・・最悪!!
「用事は?」
「済んだ。」
「ゆうりんじゃねーんだから、もういいだろう?帰れよ、コウ」
2人の邪魔をするなというように、リョウは手で帰れと支持する。
「ちょ、ちょっと待って!久しぶりだし、コウも一緒にね、ね?」
肩に回されたリョウの手をさりげに跳ね除け、コウとリョウにお願いするよう
に笑顔を作る。
せっかくコウと会えたのに、邪魔されたくないのは私の方だよ。
タイミング良く、さっき入曲したリョウの歌のイントロが流れ始め、透かさず
マイクをリョウに渡す。
「リョウって歌すっごく上手いんだよ?バラードでもロックでも何でも歌いこ
なせててすごいんだから。って知っているか。ぇへ。」
「へぇ~そうなんだ。俺聞いたことないや。」
つかみはOK。
こっちこっちと手招きして、隣の席に誘導する。
「はいはい。歌いますよ」
すねた感じでリョウはしぶしぶ歌い始めた。
隣に座ったコウは、慌ててきたせいかシャツの襟が曲がっていた。
昔と変わんない。
気取らなくって、無頓着で、リョウほどイケメンじゃないけど、爽やかな笑顔が可愛くって、そんなコウがずっと好きだった。
「曲がってるよ。」
コウの襟を直して、寝癖のついた髪をそっと指で直す。
「ありがとうな。」
そう言って爽やかに笑うコウが可愛くって、キュン~ってきちゃう。
中3の時、思い切ってコウに告白しようと思った時もあった。
でも、コウの家は代々医者の家系で、コウも生まれた時から医者になるのが当
たり前の環境で育った。
だから、受験する高校が有名男子進学校だって聞いた時、告白するのを辞めた。
大事な時期に私の事で、余計な負担をかけたくなかったからだ。
そのまま卒業して、告白するチャンスもなく、いつの間にか諦めていた。
「リョウの友達?ごめんだけど何か意外だよ。」
華やかな世界のリョウと、地道で爽やかなコウが友達って言うのが結びつかない。
「あ~。俺とリョウは、家が隣なんだ。幼なじみってやつだよ。ただリョウは
小中って華彩だからな。」
華彩って言えば、バリバリのお金持ち学校。
流石リョウ。
育ちが宜しい事で。
「えっでも、コウは華彩行かなかったんだよね?」
「俺ってああ言う、堅苦しい所合わないからさぁ~。」
確かに。
悪いけど庶民的なコウには、華彩のようなきらびやかな学校は合わないね。
そんな飾らないコウが好きだな・・・
「学校どう?勉強大変?」
リョウの歌を聴くよりは、今はコウの近況を聞きたくて仕方ない。
「大変だけど、楽しいよ。今は受験に向けて頑張りどころだな。」
「コウなら大丈夫だよ。」
自分でもビックリするぐらい自然にコウの手の上に自分の手を置いていた。
「真由にそう言ってもらえると、嬉しいよ。ありがとう」
コウも自然に真由の手の上に手を重ねてくる。
ヤバイ。キュンキュンが止まらない・・・・
ドン!キーン。
いつの間にかリョウの歌は終わっていて、マイクONのまま、テーブルに置かれた。
「次、コウな。」
もの凄く不機嫌なリョウが、真由の隣にドッカリ座る。
いつ入れたのか、聞きなれないイントロが流れ始め、コウがマイクを取った。
歌を聴いていなかったから怒ったのかもしれないけど、そんな事は正直どうでもよかった。
今は、コウの歌声が聞きたくて仕方がない。
リョウほどは上手く無かったけど、優しい歌声がコウらしくって聞き惚れてしまう。
「マジでムカつく」
わざと真由の長い髪かき揚げ、舐めるように耳元でボソッと呟いた。
ビックリして振り向いた先のリョウの瞳は、背筋が凍るほど冷たかった。
「俺もいるんだけどな?俺の存在忘れてただろ?そんなにコウがイイのか?」
『はい』って言ったら殺されそう・・・
「・・・・・・」
言葉が出ない。
「イチャイチャしやがって、マジ、ムカつくぜ」
そう言ううか言わないかに、引き寄せられ・・・
噛じられるように激しく唇を吸われた。
信じられない。
信じられない。
信じられない。
コウの隣で、見せつけるように・・・ありえない
「・・・・やめて・・」
渾身の力でリョウを跳ね除けた。
異変に気づいたコウの驚いたような、困った顔。
リョウの勝ち誇った顔。
悔しくって、悲しくって、にじむ涙で前が見えにくくなる。
「・・・・帰る・・・」
そう言うのが精一杯だった。
「あっ!!!!」
突然開いたドアに、驚いた声。
一気に現実に戻された。
のしかかってきているリョウの肩をグッと引き離し、声のした見た。
「コウ!?えっ何で???」
キスしていた所を見られた事より、ここにコウがいる事の方が驚いて。
「真由?!。えっ?? ゆうりんのお姉さん!?」
「おい!コウ、気をきかせよ。お前タイミング悪すぎ!!」
3人3様の驚き。
何が???どうなってるの???
「リョウ、お前・・・何してんだよ!!!俺は・・・手を出していい何て言っ
てねーぞ!!」
コウの怒った顔って初めて見た。
「手を出すとか大袈裟だな。ちょっとスキンシップとってただけじゃねーか。
それに真由と俺って同じクラスだし、今日初めて会った訳でもねーから、ごちゃごちゃ言ううな」
リョウは気にもせず、名残惜しそうに真由の肩に手を回している。
「もしかして・・・ヒロロンって、コウなの?」
嘘、嘘、嘘・・・
「ごめん。ギリギリになって用事が出来たから、リョウに頼んで俺が来るまで
場をつないで欲しいって頼んだ。で、さっきゆうりんからメールが来ていて
『私の代わりに姉が行ってます』って書いてあるだろう、びっくりして駆けつけたって訳で・・・まさか真由だと思わなくってさぁ・・・・」
「真由ってゆうりんじゃなかったの?まぁ~どうでもいいけどな。」
リョウは興味なさげに、真由の肩に回した手で、長い髪を指でいじっている
どうでもヨクナイ!!
この状況を嘘だって誰か言って・・・
ずっと片思いしてきたコウに、こんな形で再会するなんて・・・・最悪!!
「用事は?」
「済んだ。」
「ゆうりんじゃねーんだから、もういいだろう?帰れよ、コウ」
2人の邪魔をするなというように、リョウは手で帰れと支持する。
「ちょ、ちょっと待って!久しぶりだし、コウも一緒にね、ね?」
肩に回されたリョウの手をさりげに跳ね除け、コウとリョウにお願いするよう
に笑顔を作る。
せっかくコウと会えたのに、邪魔されたくないのは私の方だよ。
タイミング良く、さっき入曲したリョウの歌のイントロが流れ始め、透かさず
マイクをリョウに渡す。
「リョウって歌すっごく上手いんだよ?バラードでもロックでも何でも歌いこ
なせててすごいんだから。って知っているか。ぇへ。」
「へぇ~そうなんだ。俺聞いたことないや。」
つかみはOK。
こっちこっちと手招きして、隣の席に誘導する。
「はいはい。歌いますよ」
すねた感じでリョウはしぶしぶ歌い始めた。
隣に座ったコウは、慌ててきたせいかシャツの襟が曲がっていた。
昔と変わんない。
気取らなくって、無頓着で、リョウほどイケメンじゃないけど、爽やかな笑顔が可愛くって、そんなコウがずっと好きだった。
「曲がってるよ。」
コウの襟を直して、寝癖のついた髪をそっと指で直す。
「ありがとうな。」
そう言って爽やかに笑うコウが可愛くって、キュン~ってきちゃう。
中3の時、思い切ってコウに告白しようと思った時もあった。
でも、コウの家は代々医者の家系で、コウも生まれた時から医者になるのが当
たり前の環境で育った。
だから、受験する高校が有名男子進学校だって聞いた時、告白するのを辞めた。
大事な時期に私の事で、余計な負担をかけたくなかったからだ。
そのまま卒業して、告白するチャンスもなく、いつの間にか諦めていた。
「リョウの友達?ごめんだけど何か意外だよ。」
華やかな世界のリョウと、地道で爽やかなコウが友達って言うのが結びつかない。
「あ~。俺とリョウは、家が隣なんだ。幼なじみってやつだよ。ただリョウは
小中って華彩だからな。」
華彩って言えば、バリバリのお金持ち学校。
流石リョウ。
育ちが宜しい事で。
「えっでも、コウは華彩行かなかったんだよね?」
「俺ってああ言う、堅苦しい所合わないからさぁ~。」
確かに。
悪いけど庶民的なコウには、華彩のようなきらびやかな学校は合わないね。
そんな飾らないコウが好きだな・・・
「学校どう?勉強大変?」
リョウの歌を聴くよりは、今はコウの近況を聞きたくて仕方ない。
「大変だけど、楽しいよ。今は受験に向けて頑張りどころだな。」
「コウなら大丈夫だよ。」
自分でもビックリするぐらい自然にコウの手の上に自分の手を置いていた。
「真由にそう言ってもらえると、嬉しいよ。ありがとう」
コウも自然に真由の手の上に手を重ねてくる。
ヤバイ。キュンキュンが止まらない・・・・
ドン!キーン。
いつの間にかリョウの歌は終わっていて、マイクONのまま、テーブルに置かれた。
「次、コウな。」
もの凄く不機嫌なリョウが、真由の隣にドッカリ座る。
いつ入れたのか、聞きなれないイントロが流れ始め、コウがマイクを取った。
歌を聴いていなかったから怒ったのかもしれないけど、そんな事は正直どうでもよかった。
今は、コウの歌声が聞きたくて仕方がない。
リョウほどは上手く無かったけど、優しい歌声がコウらしくって聞き惚れてしまう。
「マジでムカつく」
わざと真由の長い髪かき揚げ、舐めるように耳元でボソッと呟いた。
ビックリして振り向いた先のリョウの瞳は、背筋が凍るほど冷たかった。
「俺もいるんだけどな?俺の存在忘れてただろ?そんなにコウがイイのか?」
『はい』って言ったら殺されそう・・・
「・・・・・・」
言葉が出ない。
「イチャイチャしやがって、マジ、ムカつくぜ」
そう言ううか言わないかに、引き寄せられ・・・
噛じられるように激しく唇を吸われた。
信じられない。
信じられない。
信じられない。
コウの隣で、見せつけるように・・・ありえない
「・・・・やめて・・」
渾身の力でリョウを跳ね除けた。
異変に気づいたコウの驚いたような、困った顔。
リョウの勝ち誇った顔。
悔しくって、悲しくって、にじむ涙で前が見えにくくなる。
「・・・・帰る・・・」
そう言うのが精一杯だった。