有界閉領域

帰国

母がいて父がいておじいちゃまがいて、そしてリョウがいる。





事件から3日目。






次の日無理をしたせいでレイは傷口が開き、熱を出した。





私はストレスによる高熱。







1日だけの入院が3日になってしまった朝、病室には心配そうにベッドの傍に父、母、おじいちゃまがいた。





「真由~」






名前を呼び抱きつく母。







父とおじいちゃまは、安心したようで笑顔で微笑んでくれている。








隣のベッドのレイは、点滴がされておりまだ眠っているようだ。





   リョウ・・・・







たった2週間会わなかっただけなのに、リョウが別人の様に見える。








レイのベッドの傍で座っているリョウは、ひどく疲れているようだった。








「レイは、大丈夫なの?」







高熱を出してからの記憶がない。








「大丈夫だよ」







答えたのは、リョウだった。








「涼司君は、昨日遅くに帰国してからずっと2人の様子を見てくれていたんだ」








おじいちゃまが教えてくれた。





   

   一睡もしていないのだろう。






   そう思うと胸が苦しくなる。








「先生がね、退院してもいいって言ってくれてるんだけど、帰れそう?」








少しだるいが、入院するほどでもない。








「・・・うん」







父と母は、嬉しそうに優しく微笑んだ。








退院の手続きをすると言って病室を出て行く、父と母。








「さてと、おじいちゃは廊下にいるとしようかね。」








気をきかせてくれたのだろう。







おじいちゃまはリョウに向かって目配せして出て行った。






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