有界閉領域
レイの部屋の友達も帰ったみたいで、見に行ってくれたリョウが『もう、誰もいないぞ』って言ってくれた。










『傷がちゃんと治るまで、レイの傍で看病したい』と言う私の願いをリョウはすんなり受け入れてくれている。










レイの部屋は、リョウの部屋と作りは同じなのに雰囲気がまるで違っていた。











ごちゃごちゃと物が溢れているレイの部屋は、さっきの友達たちが置いていいたのか、雑誌とCDなど、物が散乱していた。












でも・・・不思議と落ち着く。











レイは、最低限しか動くことを禁じられている為、今はベッドの上で休んでいた。










真由が部屋に入ってくるなり、すごく嬉しそうな顔をする。










「真由~。こっち来て~」











こういう顔は反則だよ。










だって胸がキュンキュンするから・・・・











「ちゃんと寝れてる?うなされたりしない?」










自分だってひどいケガなのに、真っ先に私の心配してくれるレイ。












病院で、ぬくもりが欲しくて自分から進んでレイとの一線を超えてしまった私。











    今更だけど、恥ずかしさがこみ上げてくる。












「俺、起きたらリョウが泣いてるだろう?もう、びっくりしてさぁ~。泣き顔とか小学生以来見てないし、焦ったよ。それにゴメンって謝ってくるし、2度びっくりだよ。」













退院の時、まだレイは眠ったままだった。











「大事な弟だって言ってたわよ。それに病室入るまで大した傷じゃないと思ってたみたいで、ひどく動揺してたわ。」















「ん~。確かに。リョウさぁ・・・すっげー優しんだよ。気持ち悪いぐらいにさぁ~。俺、もっと強気でいきたいんだけど、リョウが優しいからさ、調子狂って真由の事言い出せてないよ」












えっ、ちょっと待って!!!何をリョウに言うつもり???











「な、何を言うの?」












「何って?決まってるだろう?俺は真由の事マジだし、真由は俺のモノだってさぁ~」












「えっ・・・あの・・・それはちょっと・・・、マズくない?」











「何がマズいんだよ?」









レイの目が怖く光った。










    ヤバイ・・・怒ったかも・・・









レイの事は好きだよ・・・でも・・・それはリョウ程でもないと言うか・・・
リョウの方が好きの度合いが大きい。











    でも・・・言えないよ・・・









    ヤっちゃった後に言える訳でもなく・・・










    どうしよう・・・私・・・・





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