かさ【短編】
大切に使ってもらっていた時、かさは感情を持ちました。


その時は、自分のことをとても幸せなかさだと思っていました。


でも、大切にされなくなった今では、そのことを後悔しています。





『感情なんてなければ、こんなにつらい思いをすることはなかったのに…』


『いっそのこと、もっとバラバラに壊れていればよかったのかな…』




外は、まるで涙のように雨がぽたり、ぽたりと落ちて行きました。
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