かさ【短編】
かさは、ひとまず夜まで暗い路地に身をひそめることにしました。




行く当てはありません…




かさは、退屈に耐えながら、ずっと空を見上げていました。自分と同じ色の、どこまでも青い、青い空を。

同じ色でも、あの空はどこまでも広く続いているのに、どうして自分はこんなにちっぽけな存在なのか。誰の役にも立たないおんぼろのかさ。

誰かの役に立つことはできない?ぼくを必要としてくれる人はいない?


そう、考えて…

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