桜庭家の姉達




「さ、いくぞ」

「うん!」



差し伸べられた手を握り返す。



大きくてたくましい手。



「仕事は順調か?」

「まあまあってとこ。相変わらずだよ」

「お酒もほどほどにしろよな」

「わかってますよー」



翔平が就職したらこんな時間もなくなってしまう。


あたしがキャバ嬢辞めたらいい話なんだけど、辞められないのもまた事実。




だけどね?

結婚したら辞めるつもりだからね。


それがいつかはわからないけど。




あたしのずっと、ずーっと昔からの夢は、翔平のお嫁さんになることなんだから。




「どうした?」

「ううん、何も!」



キャラじゃないって言われることがわかってるから誰にも言わないけどね!





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