桜庭家の姉達
「次は“官能”マンガの方なんですけど…」
家族は皆、ボクが連載を一つしかしてないと思っているに違いない。
だが、ボクの本職は官能漫画家なのだ。
もちろん、高校の時応募して高評価得たのは少女漫画の方だが、少女漫画の方も人気を得ているが、官能漫画での人気もそこそこあるのだ。
官能漫画家・庭子
その正体を知っているのは、雑誌担当編集長とボクの担当である中野真紀子だけ。
誰も知らない、トップシークレットなのだ。
「中野さん、そろそろボクはお腹すいたよ」
「あ、もうお昼ですしね」
そう言って席を立つと、部屋を出て階段をのぼる。
ボクの漫画家としての作業部屋は我が家の本館の一階にある。