桜庭家の姉達
「あーーもーーー!!直んないんだけど!!」
そう大声で叫びながら洗面所から出てきたのは、俺よりも一つ上の姉、六女の琴里(ことり)ちゃん。
“ちゃん”付けなのは本人希望のもと、しかも俺限定。
「さっきから前髪の寝癖直してるんだけど、直らないよ!!」
「朝からうるさいな、琴里は。朝の優雅なコーヒーを味わえないではないか」
「琴子姉もうるさいよ!!だいたい優雅なコーヒーって何!?意味わかんない!!」
「お子ちゃま琴里にはわからないのだよ」
琴子姉ちゃんと琴里ちゃんの言い争いを聞いてると遅刻してしまう。
時計を見ると7時半を過ぎたくらい。
俺は部屋に戻り制服に着替えて準備をする。